自作の部屋

キット製作がほとんどの私です。皆さんのお役に立つ情報はあまりありませんが、ちょっとした改造や実験などの結果を書いていく予定です。エレクトロニクスに関する基礎知識が皆無に近いため、考え方や、やり方などにとんだ間違いや、不適切な点が多々あると思います。お気づきの点はどうかご教示ください。どうぞよろしく。

  1. 7000kHz水晶で7003kHz発振 (2002.09.07)
  2. 50メガAM送信機キットを使った、簡単に出来る7メガAM送信機(2003.11.16)
  3. AADE DFD4(周波数カウンタ)の製作 (2002.09.27)

【7000kHz水晶で7003kHz発振】
毎週日曜朝8時と10時に行われているQRPクラブのオンエアミーティング(OAM)の周波数は、7003kHzです。自作機でこのOAMにQRVしようとすると、水晶発振の送信機が便利です。7003kHzの水晶には、以前QRPプラザで共同購入したアルト電子の水晶がありますが、私は1個しか持っていません(別ページ記載ののQP-7に使っています)。水晶の特注は高くつきます。そこで、以前、QRPプラザで7J1AZS金さんとJG1RVN加藤さんによって交わされたやりとり(こちら)に基づき、千石電商の地下で1個150円で売っている7000kHz水晶を使って7003kHzを発振させる回路を作ってみました。

1.最初は失敗
最初は、よく理解せずに実験をしてしまい失敗してしまいました。水晶にパラにコンデンサを抱かせればいいのね、と早とちりし、ごく普通のコルピッツ発振回路を組んでその水晶にパラにコンデンサを抱かせました。ところが、これでは、発振周波数が高くなるどころか、逆に3kHzも低い6997kHzで発振してしまいました。

2.ピアスCBでやり直し
そこで、QRPプラザのやりとりをよく読み直してみました。そうしたところ、この実験は、NorcalのTuna Tin2(TT2)という送信機の発振回路で行われていました。そこで、NorcalのホームページにあるTT2の回路を見てみましたが、発振回路はなんとピアスCBだったのです。ピアスCBは、上記のQP-7の改造のところで出てきた、QP-7のオリジナルの発振回路です。QP-7改造の所でも書きましたが、ピアスCBは水晶の表示周波数よりも高い周波数で発振します。そこで、TT2の発振回路のコレクタに同調回路を入れた下図の回路で発振させてみたところ、無事7003kHzで発振しました。トリマを調整して発振周波数の微調整もOKです。上記の改造を先にやっていますから、ちょっと考えればすぐ分かるはずのことですが、気が付かないところがイモですね。反省。

3.コレクタ側共振回路の調整による発振周波数の変化
ところが、ここで驚いた現象が一つありました。コレクタの共振回路を調整すると発振周波数が動いたのです。水晶発振なので、共振回路の調整で周波数が動くとは思ってもいませんでした。この現象について「自作プラザ」で相談したところ、JH5ESM武藤さんから親切なお返事をいただきました。すなわち、水晶発振回路もLC発振回路と同様、発振周波数はトランジスタを取り囲むリアクタンスの総和がゼロという条件で決まる(バルクハウゼンの条件式)とのことです。水晶を誘導性リアクタンスと見れば、水晶発振回路にも適用できるとのことです。このため、水晶自身の直列共振周波数と並列共振周波数の差が大きければ、コレクタ側共振回路の調整によるリアクタンス変化で発振周波数が変わることは容易に想像できるとのことです。自作プラザでのやりとりを採録したファイルはこちら

(追記)JH7KYD影山さんに指摘されて気付いたのですが、下図の50pFトリマーで発振周波数を調整するのは、結局、同調回路をいじるのと同じです。DC的にはトリマーは同調回路と切れていますが、高周波的には、100pFと並列に入っていることになりますから(2003年10月5日追記)。


写真:ユニバーサル基板に組んだ発振回路
真ん中が、今回の、7000kHz水晶による7003kHz発振回路。ちなみに、右はNorcalの7040kHz水晶を用いたコルピッツ発振回路。左は、QP-7附属の7025kHz水晶を2個用いたスーパーVXO(コルピッツ変形回路)


【50メガAM送信機キットを使った、簡単に出来る7メガAM送信機】
FCZ研究所の寺子屋シリーズ#009 TX-502 50MHz 10mW AM QRP送信機は、QRPerの間ではもっともポピュラーなキットの一つです。私も以前作成し、同じFCZ寺子屋シリーズの100円ラジオ用クリコンと組み合わせてアイボール交信を楽しんでいます(6mバンド用の固定アンテナがないので)。

今回、QRPプラザの中で、JA8IRQ福島さんの発案で、7.0445MHz水晶の共同購入が行われました。これを使って7メガのAM送信機を作り、2003年のハムフェア会場でアイボール交信をしようと言うものです。お祭り好きの私も思わず2個購入しました。さて、送信機の製作になりますと、皆さんいろいろとオリジナルを考えているようです。QP-7にLM380の変調器をつけるというアイデアもありましたが、アイボール交信には1Wは大きすぎる気がします。会場に持参する電源の問題もあります(バッテリーは重いので・・・)。そこで、私は、コンパクトさを買って、TX-502を7メガに改造することを思い立ちました。

TX-502の回路図をじっと見てみましたが、水晶が発振回路のCBに入っているのがちょっと気になりましたが、それ以外は何ともないような気がしました。そこで、とりあえず、オリジナルの回路のままで、水晶とコイル(同調回路)だけ取り替えてみることにしました。水晶は、7.0445MHz、コイルはFCZの10S7への変更です。コイルが変わりますので、同調回路のCは15pFから120pFに変更しました。もしオリジナルの発振回路のままで不都合があるのであれば、最悪は、コルピッツに作り替えればいいや、と思っておりました。

さて、すでに作ってある50メガ用のTX-502はそのまま使いたかったので、千石電商で新たにTX-502のキットとコイル、コンデンサーを買い、組み立てました。出来上がったところでダミーロードをつなぎ、送信してみましたところ、あっさりとOKとなりました。発信も変調も全く問題ありません。拍子抜けしたくらいあっさりしたものでした。他のバンドのAM送信機を作ろうと思った場合でも、水晶とコイル(同調回路)を入れ替えるだけで簡単に出来そうです。これが分かって、なぜかうれしくなりました。後でFCZ大久保さんにも伺いましたが、7メガへの変更は回路を修正せずに出来るでしょうとのことでした。

ということで、何の苦労もなく7メガへの改造は完了しました。今回は、ヒントもノウハウも何もありません。強いて言えば、水晶と同調回路を取り替えれば出来そうだと気付いた点でしょうが、あまりにたわいのない話で自慢するほどのものではありませんね。ところが、2003年のハムフェアは、チベットへ出張していたため参加できず、結局会場でのアイボール交信には参加できませんでしたが、後日、新宿の三平でJH1ARY黒田さんと交信できました。現在まだこの一交信だけです。

外観:
FCZ新年会でおみやげにいただいたケース(たぶんミズホのVFO-7のケース)に組み込みました。電池は、交換の手間を考えて外部につけてあります(内部にも組み込むスペースはありますが)。

上部のSWは送受切り替えSW。その隣にM型コネクタがついています。したから出ているRCA付のケーブルは、受信機への信号線。左下のジャックは、外部マイク接続用です。マイクは内蔵もしており、ケース正面の小さな穴がそれです。

内部:
基板左上に水晶が見えます。背の低い、HC49US型です。JA8IRQ福島さんが音頭をとって共同購入してくださいました。


【AADE DFD4(周波数カウンタ)の製作】
米国のAlmost All Digital Electronics (AADE) は、良心的なキットを出しています。「お気に入りの小物達」にも書いたように、LCの自動計測をするL/C Meter IIBを作りましたが、大変気に入っています。さて、上記の発振回路の実験をするうちに、周波数カウンタがほしくなりました。周波数カウンタのキットは、国産では秋月やスワンテックがあり、米国ではAADEやOHRのDD-1がありますが、L/C Meter IIBの実績から来る信頼感から、ここではAADEのDFD4を作ることにしました。仕様は以下の通りです。

  1. HF:0〜30MHz、ハイインピーダンス入力、最大入力電圧5V p-p(入力保護あり)
  2. UHF:10〜3000MHz、50Ω入力、最大入力電力15dBm(保護無し)

測定モード

  1. HF Slow:分解能1Hz、ゲートタイム1秒
  2. HF Fast:分解能10Hz、ゲートタイム0.1秒
  3. UHF Slow:分解能100Hz、ゲートタイム1.28秒
  4. UHF Fast:分解能1kHz、ゲートタイム0.128秒

AADEの周波数カウンタにはDFD1からDFD4まで4種類がありますが、これらは基本的にはパネル組込型のカウンタです。オフセット設定も容易に出来るようになっており、LCDはバックライト無し(標準と)バックライトあり(オプション)があります。これらのうち、独立(Bench top)で使う場合は、DFD4がよいとされており(AADEのホームページ)、独立型で使うための部品セットのオプションも発売されています。

今回は、DFD4($59.95)(バックライトあり+$7.50)とBench top用部品セット($5.00)を購入しました。これに送料$5.00を加えて、合計$77.45でした。申し込みはFAXで、支払いはクレジットカードにしました。2002年9月17日にFAXを送りましたが、9月20日にはもう届きました。あまりの早さに驚いたくらいです。送料の確認はemailで行いましたが、翌日には返事が来ていますから、AADEの対応は抜群です。

写真1:AADEから航空便で届いたDFD4キット

エアクッション型の封筒に入っているので中身は全く痛んでいない。部品はまとめて袋に入っている。マニュアルはレターサイズ4ページ。基本的に組込型なのでケースは自分で用意する必要があります。

写真2:DFD4基板の組み立て:部品を確認して並べたところ

組み立ては簡単です。マニュアルには、「図に示したとおりに部品を組み込め」としか書いてありませんが、基板の組み立てだけでしたら、手慣れた人なら1時間もかからないと思います。

なお、この段階で注意する点は次の点です。

●図では22pFとなっているコンデンサは47pFに変更になっています(その解説カードが部品の袋に入っています)。

なお、写真に写っている006P用の電池アダプタは、キットには含まれていません。左端に写っている、ポテンショメーター1個とプリスケーラー用IC用のソケットは、今回は使いませんので退けてあります。

写真3:組上がった基板:ICはまだ差してありません

右が表示用のLCD(LEDによるバックライトありのタイプ)、左が回路基板

オフセット調整用のポテンショメーターは本来4個ありますが、独立型(Bench top)にする場合は、3個だけ取り付けます(パネル組込型の場合は4個取り付け)。この点は、マニュアルに詳細に書かれています。写真がピンぼけですいません。

写真4:ケースに組み込んだ様子:内部の配線状況

ケースはタカチのYM-130を使いました。また、006P用の電池アダプタも自分で用意する必要があります。LCDディスプレイの基板をケースにネジ止めし、そこに回路基板をソケットで抱き合わせます。あとは、SW類(電源、周波数レンジ、ゲートタイム)、と入力端子(HF用、UHF用のBNC端子)をワイヤで繋いで出来上がりです。

ここでの注意点は以下の通り。

●マニュアル3ページめのBench top型の組み立て図の電池の方向は逆です!! 基板に書かれた+−は正しいので、これを確認して組み立てましょう。なお、4ページめの総合配線図の電池の向きは正しいです。

ケースの裏にマジックインキで書いてあるのは、各SWやコネクタの配線です。電線を繋ぐとき間違えないよう、その都度書くことにしています。表からは見えないので、これでヨシとしています。

写真5:違う角度から見たところ:ディスプレイと基板の間のソケットを外した状態

調整に当たって注意する点は以下の通り。

●オフセットのポテンショメーターは最大10回転です。私は最初、1回転ほどさせても全く変化が見られず驚きました。AADEにメイルで確認したところ、オフセットをゼロ(表示は0Hz)にする場合は、ポテンショメーターのセンターピンの電圧が0Vになるまでポテンショメーターを回すこと、とのアドバイスをもらいました。十分回してもここが0Vにならない場合はどこかに故障があることになりますので、配線の再確認が必要になります。
●基準発振用水晶は10MHzです。マニュアルにはWWVとゼロビートになるよう調整せよ、とありますが、WWVは必ずしもよく入感しません。このため、ほかの方がお持ちの精度の高い周波数カウンタ等と「なきあわせ」をするのがベターでしょう。

写真6:ケース(YM-130)に組み込んだところ(出来上がり):SWオンの測定待機状態

今回、LCDはオプションのバックライトありにしましたが、独立型(Bench top型)で使う場合はバックライトは不要だったようでした。作業中は十分な明かりをつけていますので、バックライトのないタイプでも十分読めますから(例えば、L/C Meter IIBのように)。私のように独立型に組み上げる場合は、LCDは、標準の「バックライトなし」で十分だと思います。

バックライトが必要なのは機器組み込みにする場合ですね。自作リグに組み込んだ場合、移動運用などで、薄暗い場所で使うこともあるでしょうから。

バックライト用のLEDには約20〜30mA流していますが、電池の寿命がその分短くなる気がして、なんか損したような気がしています。Hi  で、その後、JA9TTT加藤さんからいただいた7809を内部に組み込み、外部電源でも駆動できるようにしました。


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