XG1(7メガ受信機調整用超微弱信号発生器)


XG1は、Elecraftが開発した水晶制御の7メガ受信機調整用超微弱信号発生器のキットです。7メガ受信機の調整(コイルの同調など)を行う際には大変便利な小物です。日本ではEDCから入手できます。

オリジナルの周波数は7040kHzで、50Ω負荷に対して1μV(-107dBm)と50μV(-73dBm)の出力をきわめて正確に出すことが出来るそうです。XG1の取説によれば、50μVはS9に相当する信号強度であり、1μVは受信機S/N比測定によく使われる信号の強さだそうです。ただし、JAIAの規格ではS9は+40dBμ(-70dBm)とのことですので、3dBほど差がありますね。日米の規格の差なのでしょうか?? 実質上差があるとは言えないわずかな差ですから、まぁ、このあたりは気にしないことにします。

さて、オリジナルは7040kHzでしたが、これはアメリカのQRPerが多く使う周波数です。しかし、日本ではCWバンドの外ですので、自作機の調整には使いにくい周波数ですね。そこで、日本のQRPer用周波数である7003kHz付近での調整に使えるよう、水晶を交換してみることにしました。


XG1の完成した様子:

キットは小一時間程度で完成できます。

BNCコネクタの下の大きめのスライドSWで1μV出力と50μV出力を切り替えます。

ボタン電池のとなりにある小さなスライドSWが電源SWで、これで発信をオンオフします。電池はダイソーでも売っているものですから、補充も簡単です。

単三電池は大きさの比較用です。


XG1の裏側:

水晶はこちら側についています。

この水晶は、下記のように、千石電商の地下で買った7000kHz水晶です。スルーホール基板なので、一旦オリジナルの水晶を取り付けた後で水晶を取り替えようとすると、水晶の取り外しが結構大変そうでしたので、下記のバラックテストを行った後で、最初から7000kHz水晶を組み込みました。

さて、最初に、回路図を一応よーく見てみました。発振回路は何の変哲もない(?)コルピッツであり、それに簡易型(?)のアッテネータがついているだけのように見えます。こんな単純な回路で正確な微弱信号が出せるのにはちょっと驚きです。おまけに、写真でご覧の通り、ケースに入れることもなく使うことが出来るのですが、外部への漏れの少なさにも自信を持っているようですね。回路定数の選び方と基板パターンの作り方が職人芸なのかな、と思いました。

この回路でかなり正確な発振出力を外部へ出すと言うことは、水晶自体のアクティビティも十分選別してあって、発振出力が十分よくそろうようにしてあるように思えました。そこで、水晶を取り替える前に、XG1附属の7040kHz水晶や、交換予定の水晶などの発振強度を比較してみることにしました。

発振は、2SC372を使った無調整発振回路(コルピッツ)で、3端子レギュレータで安定化した5Vを電源として使いました。この出力を50Ω負荷で受け、その両端の出力電圧をオシロ(岩崎通信機SS-5711)で読みました。ただし、オシロは、中古で買ったもので、校正も何もしてありませんから、絶対値は参考程度とお考え下さい。結果は以下の通りです。

水晶(銘板表示) 発振出力(50Ω負荷状態) 備考
1回目 2回目
ECS V 7.04-0491 7040kHz 73mVp-p 80mVp-p XG1附属の水晶
7.000 KDK 0315 7000kHz 80 83 千石地下で購入
7.010 KDK 0348 7010kHz 90 95 サトー電気通販
Bomar-02 7.04 (1) 7040kHz 80 85 Norcal通販
Bomar-02 7.04 (2) 7040kHz 70 68 Norcal通販

手持ちの7メガ台の水晶の発振強度は、バラツキはありますが、10%内外程度であることが分かりました。このため、水晶取り替えによる信号出力のバラツキは、あっても高々10%程度であることが分かりましたので、安心して、取り替えることにしました。結局、表では上から2番目にある、以前、千石電商地下で購入した7000kHz水晶を最初から組み込むことにしました。

組み立ては簡単で、小一時間もあればすぐに終わります。早速テストを兼ねて、FT-1000MPにつないで様子を見てみました。発振周波数の微調整はトリマで出来ます。7000kHzちょうどには追い込めませんでしたが、実用上全く問題ないところに出来ました(下の写真の通り)。自作機のバンドエッジマーカーにちょうどいい周波数ですHi


FT-1000MPにXG1をつないだ様子:

受信機のアンテナ入力に、同軸ケーブルを介して直接信号を送り込みます。これは、50μV出力の時の様子です。


50μV出力の時:

S9+20dB弱といった強さです。S9丁度ではなくだいぶ大きめであるのは、水晶のアクティビティが設計値よりも若干いいためかも知れませんね。

★後で思い出しましたが、私の1000MPはINRADのMOD(IF段のゲイン配分を補正するためのIFアンプ)を入れてあるとともに、他の部分のゲイン調整をしてあるため、Sメーターの振れがオリジナルとは異なっている可能性があります。50μVでの振れが少し大きいのはそのためかも知れません(2006年3月4日追記)★


1μV出力の時:

同調インジケータ(液晶表示最下段のTuningの表示の少し右側の黄色の逆三角形のマーク)は点灯しますが、Sメーターは全く振れない強さです。実際の信号だと、コピー可能な最低限の強さ、と言った感じですね。

驚いたことに、この信号も、SR-7SP(SR-7の改造機)でもクリアに聞くことが出来ました。SR-7SP侮り難し、を再確認できましたHi


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