CQ誌2006年2月号掲載SR-7改造記元原稿(一部加筆修正あり)

CQ誌2006年2月号にSR-7の改造記が掲載されました。紙数の都合により一部割愛された部分がありますので、元原稿(一部加筆修正あり)を載せておきます。実際に改造をされる際の参考になれば幸いです。


SR-7の改造

JR7HAN 花野峰行

 SR-7は、アイテック電子研究所から販売されている7メガSSB/CW受信機キットですが、非常にコストパフォーマンスのよい受信機です(455kHz IFのシングルスーパー)。国内交信であればそのまま利用できるくらいの受信感度、安定度がありますし、6kHz幅のセラミックフィルタが2段入っていますから、選択度もSSB用として大きな問題はありません。
 私はSR-7を、当初はBGM的ワッチ用受信機としていましたが、思いの外感度、安定度ともよいことに気付きましたので、1W級のCW送信機であるQP-7と組み合わせて交信に利用してきました。オリジナルの状態でも100mW出力のQRP局との交信に成功したこともあります。
 このようにSR-7は、オリジナルでも相当のポテンシャルを持っていますが、以下に述べる改造を施すことにより、更に実用的な受信機となり、CW交信が快適に行えるようになります。ここでは、@選択度の改善、Aフロントエンドの改善、Bヘッドフォン端子の追加についてご紹介します。なお、Aフロントエンドの改善とBヘッドフォン端子の追加は、SSB受信がメインの方にも役立つ改造です。


回路図:

今回の改造に関連する部分のみを書いてあり、他は省略してあります。オリジナルの回路図と比較して改造箇所を確認願います。



(1)選択度の改善
 SR-7をCWの交信に使う際の最大の弱点は選択度です。オーディオ段にパッシブフィルタ(FCZ #163B)を入れてみましたが、セラミックフィルタの帯域内に強力局が出現するとAGCが効いてしまい、目的局(多くの場合、微弱なQRP局です)が弱まってしまい受信困難になってしまいました。
 根本的な改善はIF段のフィルタをCW用にすることです。ここではIF段のセラミックフィルタを、JA9TTT加藤さん発案の世羅多フィルタに換装しました。ここでのポイントは以下の3点です。

@6kHz幅のセラミックフィルタを1kHz幅の世羅多フィルタへ換装
A挿入損失をカバーするIFアンプを付加
BIF中心周波数のずれをカバーするため、BFO用セラロックを445kHzに換装

 世羅多フィルタはセラミック発振子(セラロック)を用いるラダーフィルタです。加藤さんのホームページには何種類かの設計例が示されていますが、ここでは5素子のCW用(帯域幅1kHz)を採用しました。
 回路図の世羅多フィルタの部分をご覧下さい。455kHzのセラロックCSB455Eを5個とコンデンサを6個用いるフィルタです。その前後にはインピーダンスマッチングのためのIFT(FCZ10M455)が置かれます。フィルタの後には、フィルタの挿入損失をカバーするためのIFアンプを1段入れています。これらは全て加藤さんのホームページにあるデータをそのまま利用させていただきました。
 フィルタの製作は、写真1のように生基板上にセラロックと出力側のIFT(10M455)を並べて貼り付け、コンデンサをハンダ付けします。セラロックの並べ方は、発振周波数の低い順に1、2、3、4、5とすると、入力側から1、3、5、4、2の順にします。


写真1:
組み上げた3素子と5素子のCW用世羅多フィルタ。

それぞれ、455kHzセラロック3個と5個ならびに2%級ポリプロピレンフィルムコンデンサ4個と6個で構成。コイルはFCZ10M455。

セラロックに書いてある番号は、発振周波数の選別をした際の実験番号。5素子用に使った5個のセラロックの発振周波数の偏差は23Hz、3素子用の偏差は10Hz。

なお、結果的にはIFアンプを増設しましたので、これから作る方は、1枚の基板上に世羅多フィルタとIFアンプを作り込んだ方がコンパクトになっていいでしょう。



 ここで重要なポイントは、セラロックの発振周波数を選別してそろえることと、コンデンサに2%級の高精度品を用いることです。各セラロックの発振周波数の最大偏差は設計帯域幅の10%以下が望ましいとのことです。
 455kHzセラロックの選別のためには、ある程度の数量を確保する必要があります。現品.comなどの通販で50〜100個単位で買って、選別後のセットを仲間で山分けするのがいいでしょう。50個からは5個ペアが4〜5セット程度得られます。選別のための発振回路とデータ整理方法は加藤さんのホームページに詳述されています。
 ローカルに仲間が見つからない場合や、選別のための高精度周波数カウンタがない場合は、QRP MLやQRP-NET、QRPプラザ、自作プラーザなどで相談されると、余剰の選別済みセットをお持ちの方から分けていただける可能性があります。私は、JH7VNR大木戸さんが選別してくださった、最大偏差23Hzの5個ペアを利用できました。
 2%級の高精度コンデンサは、秋葉原ラジオセンター内の三栄電波でポリプロピレンフィルムコンデンサが入手できました。ここは通販も対応してくれます。1個110円で、普通のセラミックコンデンサよりは少々割高ですが、沢山使うわけではありませんから、安心料ですね。
 オリジナルのセラミックフィルタを世羅多フィルタに換装したところ、若干ゲイン不足となりました。そのため、世羅多フィルタのすぐ後に2SK439EによるIFアンプを1段追加しました。2SK439Eは2SK241Yでもかまいませんが、ドレーンとゲートの足の配置が逆ですのでご注意下さい。
 私の場合、このIFアンプは後から増設したので世羅多フィルタとは別基板になっていますが(写真4)、追試される場合は、世羅多フィルタと同一基板上にランド方式等で組み上げた方がコンパクトになるでしょう。IFアンプのパスコン(104)は、103から104の間の値であれば何でもOKです。IFアンプの電源ラインは、元基板上のジャンパー線J3へハンダ付けするのが便利です。


写真2:
SR-7オリジナルのセラミックフィルタ2個(F1とF2)とIFT1個(L2)を取り外した元基板。

ジャンパー線J2の代わりに473コンデンサを取り付けた(緑色の縦長の少し大きめのもの)



 さて、世羅多フィルタのつなぎ込みです。写真2をご覧下さい。SR-7の基板からセラミックフィルタ2個(F1とF2)と455kHz IFT(AL7-455)(L2)を取り外します。また、ジャンパー線J2を取り外し、代わりに結合用コンデンサ473を取り付けます。なお、カッコ内の記号はSR-7基板上の部品番号です。
 次に、取り外したIFTの位置(L2)にFCZ10M455コイルを取り付けます。オリジナルのIFTは7mm角でしたが、10M455は10mm角のためそのまま置き換え出来ません。私は、基板にリード線の切れ端をハンダ付けして立てて、それに10M455の足をハンダ付けしました(写真3)。10M455も、取り外したAL7-455と同様、足が3本のサイドと2本のサイドがありますので、全く同じ形になるよう取り付けます。


写真3:
10M455コイルと世羅多フィルタをつなぐためのシールド線を取り付けたところ。

10M455コイルは元のIFTとサイズが違うため、基板からジャンパー線(抵抗等の足の切れ端)を立てて、それにコイルの足をハンダ付けした。

世羅多フィルタからの戻りの信号線は、取り外したセラミックフィルタF2の穴につなぐ。



 世羅多フィルタ基板との接続は、入力側へは、SR-7の元基板上に取り付けた10M455コイルのリンクコイルの足(足が2本のサイド)から短めのシールド線を出します。また、出力側へは、2個目のセラミックフィルタ(F2)が取り付けられていたポイントから短めのシールド線を出します(写真3、4)。この時、ジャンパー線J2(J2取り外し後は結合用コンデンサ473)につながる穴に信号線を接続します。



写真4:
●組み込み終了後のSR-7SP。奥に見える生基板上に5素子CW用世羅多フィルタと10M455 IFT。

●その右下に2SK439EのIFアンプ(FCZ基板を2列分使用)

●世羅多フィルタの入力側(左側)から下に延びるシールド線がつながっている先は、オリジナルのIFTを交換した10M455。世羅多フィルタの中心周波数が445kHz付近であり、内蔵の同調用コンデンサでは容量が不足気味だったので、9pFを追加で抱かせてある。また、オリジナルのIFTが7mm角だったため、10M455はそのままでは入らないので、基板からリード線を出して、浮かせて取り付けてある。

●元基板と電池の間にある蛇の目基板上に、フロントエンド用に増設した7S7コイルとコンデンサ群。リンクコイルのインピーダンスマッチング用コンデンサがトリマになっているが、追試される方は、ここは、回路図通り68pFの固定コンデンサでOKです。

●元基板右下に見える(VRからの配線の下に隠れている)BFO用セラロックは、455kHzから445kHzへ交換。

●アンテナ入力コネクタ(RCAメス)の裏側に、過大入力防止用のゲルマニュームダイオード×2個のクリッパをつけてある。



 ここで、7mm角のスペースに無理矢理10mm角のIFT 10M455を置き換えましたが、これは、世羅多フィルタとのインピーダンスマッチングの必要上、リンクコイルの巻き数の少ないIFTに交換する必要があるからです。残念ながら、市販の7mm角のIFTにはリンクコイルの巻き数の少ない適当なものはないようです。
 さて、加藤さんのホームページに詳述されていますが、455kHzセラロックで組んだ世羅多フィルタの中心周波数は445kHz付近になります(ミスプリではありませんのでご注意を!)。約10kHzほど下がるわけです。このため、回路図にあるように、入力側のIFT(10M455)を同調させるため、9pFのコンデンサを抱かせる必要がありました。追試される場合は、このコンデンサはIFTを基板に取り付ける前に抱かせておいた方が実装上やりやすいと思います。私は手持ちの関係から9pFを使いましたが、もちろん、10pF程度の適当な値のものでOKです。世羅多フィルタ直後のIFTについては、IFアンプ用のFETの内部容量が効いたようで、コンデンサを追加で抱かせる必要はありませんでした。
 さて、このようにIFの周波数が455kHzから445kHz付近に下がるとBFOの発振周波数を変更する必要が生じます。幸い、445kHzのセラロックが販売されていますので、それをそのままF3の位置に換装します(写真5)。これは、JA3BNT安井さんが、大阪日本橋の共立テクノベース店で発見されたものです(通販にも対応してくれます)。私は幸い安井さんから1個分けていただくことが出来助かりました。これが使えないと、455kHzのセラロックをVXOしないといけなくなりますが、変化幅が大きいのでちょっと大変です。
 私の場合、BFO用セラロック(F3)を445kHzに換装しただけでビートが500Hz程度となりましたので、それ以上の調整はしませんでしたが、安井さんは、BFO発振回路の470pF(C30)に150pFを追加し、700Hzほどのビートに調整されたそうです。ここは、皆さんの好みに合わせて調整してください。なお、BFO周波数の微調整は、C30以外にも、C29を調整することでも可能です。



写真5:
●換装した445kHzセラロック(F3)が右手前に見える。




(2)フロントエンドの改善
 SR-7のフロントエンドは、簡易的なワイヤーアンテナのようなハイインピーダンスのアンテナを前提に考えられているようで、50オームに整合されたアンテナを接続するとミスマッチとなり、せっかくのアンテナが生かされないことになります。
 フロントエンドのインピーダンスマッチングは、パッシブ素子(例えば、コイル)による方法とアクティブ素子による方法(例えば、ソース入力のゲート接地アンプ)があります。SR-7はラジオ用ICを本体としている関係上、混変調に関する入力信号の許容度は小さいと考えられましたので、ここではコイルを使った方法にしました。
 回路図をご覧下さい。外付け基板を増設し、それにFCZ 7S7コイル1個、同調用コンデンサ(100pFと15pF)、SR-7との接合用コンデンサ(6pF)、リンクコイルのインピーダンスマッチング用コンデンサ(68pF)を取り付けます。入力を複同調化して、低インピーダンスのアンテナの性能をフルに生かすようにしたわけです。基板増設には、私は2.5mmピッチの蛇の目基板を使いました。
 まず、既存のアンテナ入力回路を切り離すため、1番ピン、2番ピンからアンテナ入力の線を取り外し、SR-7基板上のコンデンサC1を取り外します。
 ここで取り外したアンテナ入力からの線は、アンテナ側(黄色)を増設基板上の68pFにつなぎ、グランド側(黒)を増設基板上のグランドラインにつなぎます。この際、7S7コイルのケースもグランドに落としますので、それをうまく接続点として使うと便利でしょう。
 増設基板からの出力は、信号ライン(結合用の6pFからの線)は、SR-7元基板裏の7S7コイルホット側につなぎます(オリジナルでは、ここは何も接続されていません)。グランドラインは、SR-7元基板上のアンテナ入力ピンのグランド側(2番ピン)に接続するのが便利です。増設基板は、この結線で取り付けただけでどこにも固定していませんが、特に力がかかるわけではありませんのでこれで問題ないようです。
 増設した7S7コイルのリンクコイルに68pFをシリーズに入れたのは、アンテナ側(50オーム)から見るとリンクコイルの巻き数がまだ多すぎるため、これを解消するためのインピーダンスマッチング用です。小型送信機のタンク回路のアンテナ整合によく使われている方法です。このコンデンサを入れませんと、7S7コイルがQダンプされた形になります。従って、この68pFは感度アップにもつながる重要なポイントです。このコンデンサの有効性はJA1XB石井さんから教えていただきましたが、CirQ誌009号の石井さんの実験結果が大変参考になります。
 写真4では、この68pFはトリマコンデンサと固定コンデンサになっていますが、実験の結果、非常にブロードな効き方であることがわかりましたので、追試される場合は、ここは68pFの固定コンデンサで十分です。
 なお、リンクコイルに68pFを入れてフロントエンド初段のQをアップさせましたので、増設した7S7コイルの同調をとる際は、50オーム出力の標準信号発生器(SG)からの信号や、SWR整合の取られたアンテナを接続する必要があります。適当なランダムワイヤーをつないで調整すると最良点からずれてしまいますので、その後で整合したアンテナをつなぐと逆に感度ダウンになります。ご注意下さい。
 なお、回路図では、外付け基板に増設した7S7コイルの同調コンデンサとして、規定値の100pFに加えて15pFも併用されています。これは、入力側の68pFを入れてQを改善した後で同調がずれたために追加したものですが、複同調の結合用コンデンサ6pFが大きすぎるためかも知れません(ここは通常、同調用コンデンサの10%以下の値にする)。追試される場合は、3pFぐらいがよいかも知れませんので、必要に応じて試行錯誤なさってみてください。
 最後に、交信に使用する場合、誤って送信機からの出力が入ってしまった場合などに備えて、アンテナ入力端子の裏側にゲルマニュームダイオード2個のクリッパを取り付けました(回路図と写真4参照)。

(3)ヘッドフォン端子の追加
 SR-7のAFアンプはBTL接続のため片側をグランドに落とすことが出来ません。これが、SR-7に元々ヘッドフォン端子が付いていない理由の一つかと思います。しかし、交信に使おうとするとヘッドフォン端子は不可欠です。Webサイトを検索してみますと、皆さん色々な工夫をされているようです。私の場合、以下のような簡単な方法で済ませています。
 使用する部品は、スイッチ付のステレオヘッドフォンジャック1個と2芯シールド線少々だけです。まず、ジャックのグランド側にシールド線のシールド側をつなぎ、反対側のシールドはスピーカーの片側(どちら側でもよい)に直接つなぎます。従って、こちら側のスピーカー端子は、SR-7基板からのグレーの線と今ハンダ付けしたシールドの2本がつながります。
 次に、スピーカーの反対側に来ているグレーの線(AF出力)を取り外してシールド線の芯線の一つ(例えば赤)につなぎます(つなぎ目は収縮チューブで絶縁処理をします)。この芯線の反対側はステレオジャックの1番と2番(ヘッドフォンを差し込むと聞こえる方)につなぎます。次に、アンプからの線を取り外したスピーカー端子に残りの芯線(例えば白)をつなぎ、この芯線の反対側をジャックの1’、2’(ヘッドフォンを差し込むと切れる方)につなぎます。作業はこれだけです。
 私の場合、シールド線は背面の穴を通して外に引き出しているだけで、ジャックはボディには取り付けず宙ぶらりんにしてありますので、ジャックの結線箇所にホットグルーを盛って、絶縁処理をしています。出来上がった様子は写真5をご覧下さい。
 なお、背面の穴にフィルムケースのフタを取り付け、それにヘッドフォンジャックを取り付けておられる方もいらっしゃいますので、外観を気にされる場合はこのような工夫も有用でしょう。

(4)調整
 改造が終わったところで各部の調整です。今回必要な調整は各コイルの同調を取ることと、VFOのトラッキング調整だけです。
 各コイルの調整にはAGCの効かない微弱な信号源が必要です。これは、強い信号でAGCが効いてしまうと同調のピークが不明瞭になるためです。電離層反射の信号(例えば、QRP局の信号)の場合、QSBを伴いますので、同調のピークなのかQSBのピークなのかがわかりにくいのでこれはうまくありません。
 微弱な信号源として最適なのは標準信号発生器(SG)ですが、このような高価な測定器をお持ちの方は少ないでしょう。私は、通常交信に使用しているQP-7の発振段だけを作動させ、その出力をアンテナを介して聞く方法を採りました。
 あらかじめ、メーカー製のリグなどで発振器の信号を受信し、その信号を、Sメーターが振れるか振れないかの強さに調整しておきます。この時、必要に応じて、簡易的なアッテネータ(抵抗や同軸切り替えスイッチなど)を使ったり、ワイヤーによる外部への信号漏洩などを行って強さを調整します。受信トップの調整のためには、SWR整合のとれたアンテナをSR-7に取り付けておく必要がある点はお忘れないように。
 なお、この調整は、夜間に行おうとすると妙な信号(ジャミング?)が入感してうまく行かないおそれがありますので、日中に行う方がいいでしょう。
 各コイルの調整は、一旦BFOの注入量をギリギリの強さまで絞って行います。これは、BFO信号でAGCが効くのを回避するためです。本当であれば、AM変調された信号があれば、それがベストですがなかなかそうはいきません。
 調整は、RF的に影響の出にくいコアドライバーなどを用い、後段のコイルから順次行います。何度か繰り返すと最良点がはっきりするはずです。コイルの調整が終わったところでBFOの注入量を元に戻します。この時も、あまりBFO注入量を強くしすぎない方が微弱な信号を聞く際有利になる点はご注意ください。
 後日談ですが、米国エレクラフト社から発売されている7メガ受信機調整用の精密微弱信号発生器キットXG1(国内ではエレクトロデザイン社から入手可能)を購入したので、SR-7SPの再調整を行ってみました。1μV出力(-107dBm)の信号をSR-7SPでもはっきりと聞き取ることが出来、再調整も非常に簡単に出来ました。EQT-1の受信部調整にも使えます。SGは買えないが、と言う方は考えてみられてもいい一品かと思います。
 次に、VFOのトラッキング調整を行い、受信周波数の可変範囲をCW用に変更します。やり方はSR-7の取説に書かれた方法でOKです。周波数カウンタをお持ちでない場合は、発振器からの信号を受信して調整するが便利です。私は、アンテナアナライザーであるRF-1に、適当な長さのワイヤーを取り付けた手製のダミーロードを取り付け、その信号を受信しました。RF-1の信号はキャリアに濁りがあるため、発見しやすくて便利です。Hi
 私は6998kHzくらいから7030kHzくらいの範囲を受信できるように調整しましたが、同調が容易になり大変便利です。

(5)使用感
 ここでは、改造したSR-7をSR-7SPと呼ぶことにします。お気づきの通り、SPはHAN Specialの略のつもりです。その実力がどのくらいか、手元のFT-1000MP、FT-817、KX1などと比較してみました。アンテナは、ルーフタワーに上げた短縮型のロータリーダイポールで、SWRは1.5以下です。
 感度に関しては、FT-1000MPで聞こえる信号のほとんどをSR-7SPでも聞き取ることが出来ました。FT-1000MPのSメーターが振れるか振れないかのレベルの局でもSR-7SPは受信できました。ただし、蚊の鳴くような強さでしか聞こえませんので、それなりの集中力は必要です。Hi オリジナルのSR-7と比較していませんが、少しは改善されている気がしますし、十分実用レベルにあると言えます。
 選択度に関しては、1kHz幅というのはQRP交信にはちょうどいいところです。これは、自作機などでQRVするQRP局の少なくない方が数百Hzずれて呼んでくる場合があるからです。500Hz幅のシャープなフィルタでは気付かないこともあるのですが、1kHz幅であればほとんどの場合受信できます。
 5素子世羅多フィルタのスカート特性は、KX1の3素子クリスタルフィルタよりは明らかに良好で、FT-817の純正CW用メカニカルフィルタのスカート特性と同程度かと思います。従って、これも十分実用レベルにあると言えます。
 逆サイドバンドの漏れに関しては、BFOのビートが500Hz程度のため、599++の強力局についてははっきりと漏れを感じる状態です。これはビートを700Hzくらいに調整するとかなり改善できると思いますが、このような強力局からある程度離れてしまえば全く問題はありませんので、私の場合、特に気になる問題ではありません。
 選択度が上がりましたので、VFOのドリフトが実用上問題になるかどうか確かめてみました。コールドスタートから20分間くらいはドリフトが気になりますが、それ以降はほぼ安定しますので、交信をしていてもまごつくことはありません。しかし、完全に安定するには30分以上はかかるようですので、その間は、少しずつですが同調を取り直す必要があります。しかし、これも慣れれば気になるほどの問題ではありません。
 以上のように、SR-7は、部品代僅か2千円ほどの改造で十分な実用性のあるCW専用受信機SR-7SPに生まれ変わりました。週末に、この受信機を使って7003kHz付近に時々出没しております。交信の中で、受信機はSR-7SPと打った場合はこの受信機です。見つけた場合はぜひコールお願いいたします。
 最後に、種々教えていただいたJA9TTT加藤さん、JA1XB石井さん、部品調達などにご協力いただいたJA3BNT安井さん、JH7VNR大木戸さん、激励してくださったQRPプラザ、QRP-NETの常連の方々にお礼申し上げます。


 参考情報一覧

@SR-7の詳しい紹介
●CQ誌1997年3月号p.112〜118
 →開発者であるJA7CRJ千葉秀明さんによる回路の説明、組み立て方、調整方法の紹介

ASR-7改造の情報ソースなど
●JA9TTT加藤さんのサイト(http://ja9ttt.homedns.org/)
●QRP-NET(http://qrp-net.jp/)
●QRPプラザ(http://plaza.qrp-net.jp/)
●楽しい自作電子回路雑誌CirQ 009号(2005年5月)(http://www.fcz-lab.com/)

B部品等の入手先一覧(いずれも通販可。詳細は各Webサイト等をご覧下さい)
●SR-7の入手先:アイテック電子研究所(CQ誌の広告参照)
●2%級コンデンサの入手先:三栄電波(http://www.san-ei-denpa.com/)
●445kHzセラロックの入手先:共立テクノベース店(http://techno.kyohritsu.com/)
●455kHzセラロックの入手先:例えば、現品限り(http://genpin.com/)
●FCZ10M455コイル等の入手先:サトー電気(http://www2.cyberoz.net/city/satodenk/)

以上


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