運用ポリシー(なぜQRPかローパワーなのか)


 電波法に「通信は必要最小限の出力で行うこと」と書いてあるからQRPでなければならない、などと野暮なことは考えていません。私も、何が何でも常にQRPと言うわけではありません。要は、「無駄な電気は使わないでおこう」という精神です。
 私は、地熱発電を中心とした地熱開発を仕事としていますが、地熱発電所(通常、数千から数万キロワット)を作るのに、日本では少なくとも十年以上、多くの場合二十年近くの年月がかかります。現在確かに、風力発電や太陽光発電が脚光を浴びていますが、純国産の再生可能エネルギーとしてとして、現在最も多く発電に貢献しているのは水力発電で、次は地熱発電なのです(発電電力量で、わが国の0.4%)。純国産の電気を作るのは非常に難しいのです。
 残念ながら、わが国のエネルギー需要は莫大であり、純国産の再生可能エネルギーは、所詮エネルギー供給の主力にはなりえません。現在でもエネルギー源の大半を輸入に頼っていますが、将来的にこのトレンドは変わらないと思います。これからのエネルギーセキュリティ問題や、化石燃料の燃焼に伴う、CO2ガスを中心とした温室効果ガス(GHG)排出量の増加とその削減対策の難しさを考えると、やはり省エネルギーの推進は必要ではないかと思います。
 一旦出てしまったCO2を処分したり固定したりするにもエネルギーが必要です。そこでさらにCO2が発生してしまいます。従って、究極の対策は、やはり、エネルギー消費量を減らし、化石燃料の使用量を減らすことだと思いませんか??
 私は日頃から、このような事情を痛感していますので、「無駄な電気は使えない」という思いがあり、このため「自分にとって必要最小限の出力で運用しよう」と思うようになりました。これが、私がQRPあるいはローパワーで運用するようになった理由です。私は、いいアンテナとタワーは是非ほしいと思いますが、日本国内で運用する限りにおいては、個人局での運用の場合は、リニアアンプは一生使うことはないと思います。


ここで皆さんも考えてみてください  電力需要と電源構成の経年変化(実績と予想)(出典:資源エネルギー庁総合エネルギー統計)。

このように、わが国の電力需要は伸び続けています。この中で純国産のエネルギーは水力と、その他の中に含まれている地熱だけと言ってもいいくらいです。これからの資源ナショナリズムの台頭と、エネルギーセキュリティ問題ならびに地球温暖化問題の深刻化を考えると、まず第一に、エネルギー消費の絶対量を減らす、トータルな意味での省エネが必要であることがおわかりいただけると思います。

また、石油、石炭、天然ガス、原子力燃料はいずれも輸入に頼っていることを思い出してください。国としてのセキュリティ問題を考えると、純国産エネルギーの利用は根本的な問題ではないかと思います(なお、食糧確保に関しても同じ問題があるのですが)。


次は、各電源別のCO2排出量です。このCO2排出量の違いを見ると、いくら、国産の再生可能エネルギー(水力、地熱、風力、太陽光)がものの数ではないとは言っても、可能な限りその開発は進めていかなければならいことがご理解いただけると思います。


トップページに戻る