QP-7のページ

ミズホのQP-7は7メガQRP送信機キットの定番です。多くの方が作った経験をお持ちでしょう。組み立てが容易で再現性もよい、非常によくできたキットだと思います。基板のパターン密度が低いことから、初心者が改造するにも向いています。オリジナルのままでも十分使えますが、ちょっとした改造をすることにより、自分なりに使いやすい送信機にすることができます。ここでは、私が行った改造をご紹介します。


1.QP-7のオンボードVXO化

そのうち、QP-7の発振段をオンボードでVXO化した内容を書く予定です。当てにしないで気長にお待ち下さい。



2.7000kHz水晶で7003kHzにオンエア出来るようにするには

QRPerがCQを打つ定番の周波数は7003kHzです。残念ながら7003kHzの水晶は市販されておらず、特注するしかありません。水晶の特注は、安くても1個千円近くかかりますから、思いついたときすぐに簡単に出来る、というものでは必ずしもないですね。ところが、QP-7の場合、150円で市販されている7000kHz水晶を使って、全く改造をせずに7003kHzにオンエアすることが出来ます。これは、7L3DNX竹野さんが最初にトライされた方法ですが、ここではその具体的方法を写真で説明することにします。


●オリジナルのQP-7の回路そのままであり、改造は全く必要ありません。

●水晶は、7000kHzを使う。千石電商の地下やサトー電気の通販で手に入る(1個150円)。これをそのままオリジナルの水晶と入れ替える。

●接続用ピンP12とP14の間にトリマを入れる。(ここは、本来は短絡するところ)。写真では、50pFのトリマを取り付けてあります(水晶の左下のオレンジ色の部品)。

●このトリマで発振周波数を調整する。これで無事、7003kHzの送信が可能になります。これは、QP-7の発振回路がピアスCBであるため、下記のように、一般的な水晶の銘板周波数よりもちょっと高めの周波数で発振する性質があるからです。この性質をうまく利用したわけです。

●たったこれだけです!! ぜひお試しあれ!!

(2006年1月10日加筆)





3.QP-7の発振回路改造(アルトの7003kHz水晶で7003kHzにオンエアできるようにするには)

QP-7の発振回路はピアスCBです。水晶発振は、左図のように、周波数の低い共振点A(直列共振点)と高い共振点B(並列共振点)の2カ所で発振する可能性がありますが、ピアスCBの場合は周波数の高い並列共振周波数(B点)で発振するとのことです(JA1XB石井さんに教えていただいた)。QP-7に付属の7025kHzの水晶は、ピアスCB用に特注された水晶ですので、B点が7025kHzとなるよう作られています。

ところが、通常用いられるコルピッツ発振回路は直列共振周波数(A点)で発振するため、一般に市販されている水晶はその周波数で表示されています。従って、コルピッツでの発振を前提にした水晶をピアスCBで発振させると、表示された周波数より少し高い周波数で発振することになります。

今回、ハムフェアでのアイボール交信を主目的(副次的には、QRPクラブのオンエアミーティングも)としてQP-7を作りました。オンエアミーティングの周波数は7003kHzですので、使う水晶は以前QRPプラザで共同購入したアルト電子の7003kHz水晶です。ところが、この水晶は、コルピッツ発振回路を前提にしていますので、A点が7003kHzとなるよう作られています。

この水晶をQP-7オリジナルのピアスCBで発振させたところ、ものの見事に7006.5kHz付近で発振しました。これでは7003kHzで行われるオンエアミーティングにはちょっと使えません。そこで、JA1XB石井さんとJG6DFK児玉さんのご助言をいただき、水晶の横からGNDに落ちているC3(オリジナルは15pF)の値を増やしてみましたが、47pF増しで1kHz低下、更に100pF増しではもはや変化無し、となりました。この方法では限界があることが分かりましたので、発振回路を根本から変更することにしました。

せっかくの基板を大幅に作り直すのは大変です。一時は、外部にコルピッツの発振回路を置いて、その出力をPQ−7に注入することも考えましたが、高々1WのQRP送信機に4ステージというのはいかにも無駄な感じがしました。そこで、回路図とパターンをじっと見てみたところ、コレクタの同調回路をそのまま残すのであれば、基板パターンのカットは1カ所だけ、ジャンパ線は2本、後は部品の入れ替えだけで、発振回路をピアスCBからコルピッツに変更できることが分かりました。

左図の右下にこの改造後の回路を示します。パーツナンバーのままになっている部品はオリジナルのままで、定数を入れてある部品は入れ替えたものです。R3はRFCに取り替えています。R2は取り去りましたので、その場所は空いています。

基板のパターンをカットしたのは、水晶と同調コイル(L1)を繋いでいる部分です。これで水晶がコレクタから切り離されましたので、水晶からベースへジャンパ線(Jumper)で繋ぎます。もう一本のジャンパ線は、P14ピンからエミッタへのジャンパーです。下の写真を参照してください(ピンぼけですいません・・・)。


発信段からの出力は、オリジナルと同様、コレクタ側に入った同調回路から、L1に内蔵のリンクコイルで第2ステージへ送られます。従って、改造したのは発信段だけです。結果は期待通りで、水晶の表示通りのほぼ7003kHzで発振し、トリマを調整することにより7003kHzにあわせることが出来ました。なお、発振出力がやや弱くなったような気がしましたが(電源に006P電池を使用した時、オリジナル回路で出力0.4W、改造後は0.2W)、電池が弱ったためかも知れず、気のせいかも知れません。12V電源使用だと改造後も1W以上出ますので、全く問題ありません。

上図には、全体の組み立て図も示しました。電源部に入っている1S10は、秋月で売っている整流用ショットキーバリアダイオードですが、順方向電圧降下が低いとのことで、今回のような逆流防止にはぴったりです。ただし、今回は手持ちの関係で耐圧100Vの1S10を用いましたが、今回のような低電圧の回路には、順方向電圧降下の更に低い耐圧40Vの1S4を用いた方がいいでしょう。

CWのキーイングは、QP-7のオリジナルはバッファ段のエミッタで行うようになっていますが、手持ちのエレキーのスイッチングトランジスタが2SC1815(許容最大Ic 150mA)であり、オンオフの電流としてはぎりぎりに思えましたので、許容コレクタ電流の少し大きい2SA719(許容最大Ic -500mA)を使ったオンオフ回路を挟んで、バッファ段の電源側をオンオフするようにしました。これだと、信号系の回路を外部まで引き回すことがなくなるので、精神衛生上も安心です。

【QTC!!】
これからQP-7をオンエアミーティング専用に使おうという場合は、わざわざこんな改造をしなくても、千石電商の地下で150円で売っている7000kHz水晶を使えば、QP-7のC3を50〜100pF程度のトリマコンデンサに交換するだけで、オリジナルの発振回路(ピアスCB)を変更することなく7003kHzを発振させることができます。別記の実験をご参照ください。この実験を先に行っていれば、このQP-7の改造はしなくて済んだのでしょうね。遠回りになりましたが、発振回路の勉強になりました。

【QTC2!!】
7L3DNX竹野さんが、千石7000kHz水晶をQP-7に組み込み、7003kHzの送信を可能にしたそうです。竹野さんは、C3をトリマに変更するのではなく、P12とP14の間にトリマを入れ、それで発振周波数を調整するようにしたそうです(ここは、本来は短絡するところ)。これで無事、7003kHzの送信が可能になったそうです(2003年2月9日追記)。


写真:ケース(タカチのYM-150)に組み込んだところ。(上左):外観、(上右):内部
バッファ段そばの基板上に立っている小型のユニバーサル基板は、CWキーイング回路。外部電源用のジャックはFT817と同じサイズのものを使用したので、電源を簡単に共用できる。これを使った、2002年ハムフェアでの交信風景はこちら


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