QRP移動アンテナの詳細(3) 10m長GP



これが以前から使用している10m長GPです。下に見える親子(JH7VNR大木戸さんのご家族)と比べてみるとその大きさがわかると思います。

HFのアンテナを屋外に設置すると目立つものです。このGPも目立つと思っていたのですが、RFMDのようにエレメント線がないためか、背景に隠れてしまって目立たない場合が少なくなく、そばに来るまで気が付かれない場合が多いようです。意外とステルス性のあるアンテナかも知れません。

エレメント長を12m弱としているので7/10/14メガの3バンドで問題なく使用できました。電波の飛びは抜群です。RFMDよりいいような気がします。ただし、国内局の場合、水平系アンテナ(例えばRFMD)にはない、細かな周期のQSBを感じることがあります。垂直系アンテナに特有の現象かと思いますが、これが気になる場合は、RFMDのような水平系アンテナの方が使いやすいでしょう。次回のQRPエコデイの時にでも、2本並べて比較してみたいと思っています。

ただし、3.5メガはKX-QRP、T1いずれのチューナーでも整合できませんでした。ローディングコイルが必要になります。★20m長のラジアルを追加することにより3.5メガでも整合できました。下の方に追記してあります(2005年9月18日)★

RFMDと違ってエレメント線が張り出していない分、風がある時は有利な気がします。

なお、移動運用では、このほか、水平系のマルチバンドアンテナ(G5RVの変形)であるRFMD、その小型版のRFMD-S、JP6VCH松木さん開発の小型高性能アンテナ(VCHアンテナ)も使っています。詳しくは各ページをご参照下さい。


別の設置風景です。ほとんど背景に埋没してしまっているので、遠くから見てもアンテナがあるとは気が付きません。

2003年のQRPエコデイの時の写真ですが、そろそろ紅葉が町まで降りてきた感じの時期で、とてもきれいでした。


雪景色の中でも意外と目立ちませんでした。


さぁ、設営です。先ずは、10mグラス竿(PG-ANT-100)を杭などに縛り付けます。私はダイソーで買った自転車の荷台ゴムひもを2本使って縛っています。上下の紐の間隔が適当に離れていれば、倒れる心配はありません。

なお、竿を杭に縛り付ける前に、必ず、先端のロッドを引き出しておきます。縛り付けた後では取り出せませんのでご注意を。


このアンテナに使う線材です。

真ん中の濃いめの黄色い線がエレメントです(約12m長)。チューナー側はバナナチップ、竿先端側は鰐口クリップにしてあります。鰐口は、エレメントを延長して逆L型にする時などのためです。

両側の薄い黄色と白色の線がラジアルです(10m長)。これらは、チューナー側の被覆を剥いてハンダ揚げしてあるだけです。

左に置いてあるバナナチップに鰐口が4本ついたものは、チューナーにラジアルをつなぎ込むためのものです。このアンテナと組み合わせてよく使っているKX-QRPのワイヤー入力は鰐口が直接入るので、このようにしてあります。


エレメントはビニル線(撚り線)を12m弱の長さにしています。この長さだと、14メガでも電圧給電にならないのでチューナーで問題なく整合がとれます。

この写真は、エレメントの上端付近を、グラスロッド先端付近に縛り付けているところです。縛る時使っている紐は、おなじみの「パンツのゴム」です。適当な長さに切ったものを何本か用意しておき、適当な間隔でエレメントを竿に縛って固定します。


エレメント(約12m長)は竿(10m)よりも長いので、エレメントはヘリカル風にくるくる巻きながら竿を延ばしていきます。途中、3箇所くらい、ゴムひもで縛っておくとずれなくていいですね。

エレメントの巻き付けと竿伸ばしが終わったら、ラジアル(10m長×2本)を展開し、チューナー(KX-QRPまたはT1)をつなぎます。この写真はRF-1(小型アンテナアナライザ)を使ってKX-QRPの調整をしているところです。


チューナーの調整が終わったところです。

ラジアルは、現在は2本にしています。1本と2本では明らかに2本の方が飛びはいいのですが、2本と3本では差はほとんど感じません。

実は、最初はラジアルは3本使っていたのですが、ある時、どこかの子供に1本持って行かれてしまって2本になってしまいました。それ以来、2本で使っています。


7メガの整合が終わったところです。SWRは簡単に1.0付近まで落とすことが出来ます。

10メガでは1.5前後、14メガでは1.8前後まで簡単に落とすことが出来ます。

ただし、14メガはやや電圧給電気味になっているため、調整を行う時人体の影響が出るようで、調整を終わってリグの方に行くと、SWRが少し変わっていることが多いです(その結果も入れて1.8前後が多いということです)。


公園の中の小さな橋の欄干に縛り付けたところです。この時はまだラジアルは3本持っていました・・・



さて、このアンテナ(エレメント長は12m弱)がどのような周波数に共振しているのかは興味のあるところです。

写真は、JH7VNR大木戸さんがデリカのディップメーターで共振点の測定を行ってくださっているところです。

この結果、このアンテナは6MHz強に共振していることがわかりました。エレメント長さから推測される共振周波数とほぼ同じです。


で、このアンテナをなんとかローディングせずにもっと低い周波数(具体的には3.5メガ)で使えないかと考え、キャパシティハットをつけてみることにしました。

写真は、長さ約70cmほどの真鍮線4本を豆サイズの目玉クリップをつかって竿にはさみつけたキャパシティハットを取り付けたところです。

この効果を上の写真同様、ディップメーターを使って調べてみたのですが、僅か200kHzほどしか共振周波数は下がらず、期待したほどではないことがわかりました。残念ながら、このアンテナを3.5メガで使うにはどうしてもローディングコイルが必要であることが再確認されたわけです。この実験の後、このキャパシティハットはJA0VTK遠山さんにもらわれていきました。Hi (2005年9月3日)



2005年9月18日(日)にリベンジ実験をしてみました。

JH5ESM武藤さんからのアドバイスに従い、エレメントはいつもと同じ約12m長ですが、21m長のラジアルを2本取り付けてみました。

結果は上々で、3.5メガでもSWRが1.8となり、なんとか実用になりそうです。ただし、AMでの連続送信であれば、T1で調整がついたのですが、CWの短点連続送信ではT1の調整がつかず、SWRは十分下がりませんでした。

この状態で他のバンド(7/10/14メガ)も全く問題なく使えますが、1.9メガはさすがにSWRが下がりませんでした。FT-817を使う場合は、最初に調整をしておけば、T1用の専用コントロールケーブルを使うことにより、クイックQSYが可能になります。

なお、あいにく、この日は16時前に撤収してしまいましたので、3.5メガでの交信はありませんでしたが、次回チャンスのある時にトライしてみましょう。

★(追記)★
2005年の全市全郡コンテストでこのアンテナを庭に建て、3.5メガ用に使ってみました。ラジアルは、21m長2本ではSWRが十分落ちきらず、10m長1本を追加してなんとか1.7、もう1本追加して1.0まで落とせました(合計、21m長2本、10m長2本)。しかし、ボトムローディング(しかもローディングはチューナ内部)のためか、飛びは思ったほどではなく、RFMDの方がいいような感じでした。庭にRFMDを仮設するとかなり目立ちますので、コンテスト参加時の臨時アンテナはGPの方がよさそうですが、次回は、ローディングコイルをエレメントトップ付近に取り付ける等して、給電部はチューナなしでも行けるようにしてみようかと思った次第です。また、ラジアルも、10m長くらいでいいからあと数本増やしてインピーダンスを下げて使いたいところです(2005年10月15日追記)。


エレメントとラジアルをT1につなぎ込んだ様子です。ラジアルは、RFMDの延長用エレメントを流用しました。


この日はアンテナ実験だけが目的でしたので、JA0VTK遠山さんが移動運用をしていた岩手県立体育館前の公園(盛岡市青山)に行き、遠山さんに手伝ってもらいながら実験をしました(私の家から自転車で10分弱)。

立木囲まれた中にあるベンチを利用してアンテナ設営と実験を行いました。周りが立木ですので、ほかの方からはほとんど全くわからない状態でした。立木の高さが十分高いため、10m長のグラス竿も枝葉に掛からず設置できました。さながら隠密運用でした。


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